【ミヨチャンと10 円玉】

samuraihair

2009年07月10日 15:52

ミヨチャンという知的障害がある女の子が広島の施設にいました。



その施設を卒業するには、1円玉・5円玉・10円玉・50円玉・100円玉・500円玉の価値の違いを言う卒業試験がありました。



知的障害の子でもお金に騙されないように、先生方がそんな試験を考えたのです。



普通は2、3年で卒業できるのに、ミヨチャンは7年経ってもまだ卒業できません…



試験にパスできないからです。



毎年、卒業試験で先生が



『ミヨチャン、この中で一番価値のあるお金はどれですか?』



と、聞くと



ミヨチャンは必ず10円玉を握ってしまいます。



先生が



『何でいつも10円玉しか取らないんだ!?この中で一番価値のあるのは500円玉だよ…このままでは、いつまで経っても卒業できないよ!!!』



と怒っても、意味のわからないミヨチャンは泣くばかり…。



そして、何回やっても10円玉を握ってしまいます…。





(自分達の教育が間違っているんじゃないか…)





先生達は悩んで色々話し合いました。





そして、ミヨチャンの事をもっと知ろうということになりました。





調べてみたら、ミヨチャンの小さい時、お母さんは亡くなっており、お父さんは体が弱くて入院してました。





ミヨチャンは親戚の叔母さんの家に預けられていたのです…





ミヨチャンの楽しみは…





毎晩10円玉を持って赤電話に行き、病院のお父さんに電話をかけること…





それが…





ミヨチャンにとっては一番素敵で…





価値のあることだったのです。





それを知った先生方は、それまでの試験のあり方に後悔しました。





ミヨチャンにとって一番価値のあるのは、





500円玉ではなく10円玉だったのです…。





ミヨチャンは最後の最後まで10円玉を握ったまま卒業していきました。